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慰謝料請求で探偵の調査費まで請求できるか?


1.不貞慰謝料請求における探偵

「自身の夫/妻が不貞をしているかもしれない、気になるけれども何を調査すればいいのかわからない…。」

こういった場合、ドラマの影響もあるのか、探偵会社に調査を依頼して、自分の夫や妻の浮気の証拠を集めようという依頼者がいらっしゃいます。場合によっては、探偵に相談し、「調べないと0だけど、ちゃんと調べて浮気が発覚すれば、相手に探偵の費用も請求できますよ」など、言葉巧みな勧誘を受ける場合もあるようです。

今回は、不貞慰謝料について探偵の調査費用は請求できるのか、そもそも探偵に調査を依頼すれば慰謝料請求は可能なのかについて、解説していきます。

2.慰謝料を請求する場合に探偵の調査費用を請求できるか

  不貞の慰謝料請求を行う場合、探偵の調査費用まで請求できるのでしょうか。

  結論から申し上げますと、裁判にまでなった場合、探偵の調査費用まで相手が支払うよう認められることはあります。ただし、調査費用の全てが認められることは、少ないといえます。

一般にはあまり知られていませんが、不貞の慰謝料を相手に請求する場合、「即裁判だ!」となるわけではなく、話し合いで解決しようとする段階がその前にあります。

つまり、①話し合いで解決しようとする段階と、②(話し合いではどうにもならないから)裁判で決着をつける段階とがあるのです。

もちろん、①の段階でも、相手に「不貞の調査費用がこれだけかかった」といって、調査費用を支払ってもらうように伝えることはできます。ですが、①の段階では、探偵費用がいくらかかったといっても、相手が相当こちらに配慮してくれる人でないかぎり、支払われないことがほとんどです。

では、②の段階ではどうなるのでしょうか。

②の段階では、裁判所で「裁判官」と呼ばれる人が、慰謝料をそもそも支払うべきなのか、支払うべきとしたらいくら支払うのかを判断することになります。その中で、探偵の調査費用についても、慰謝料とは別に支払われるべきかを裁判官が判断するのです。

裁判官がどのように判断するかは、事件の内容や裁判官の人柄によって変わってくるところです。ですが、通常、探偵の調査費用についても全額相手が支払うべきと認められることは少ないです。これは、探偵の調査が本当に必要であったのか、探偵の資料とは別の証拠や、その他の調査方法によって発覚しなかったのかを、裁判官が判断するためです。

もちろん、不貞というくらいですから、基本的には隠してなされることが多いものです。しかし、探偵の調査をしなくとも、相手は様々な証拠を残していることがあり、それを集めることで不貞関係を証明できることがあります。そのため、探偵の調査のうち、必要なかった部分があると考えられることが多く、認められるとしても、全ての費用のうちの一部ということが少なくありません。

どういった証拠があれば、不貞関係にあったことが認められやすいかは、下のリンクも参考にしてみてください。

(該当リンク:)

また、調査費用があまりにかかってしまうと、そんな大きな金額をかけた調査が本当に必要であったかという判断は、厳しくされる傾向にあります。これは、探偵費用というのは、どのくらいの人が使われ、どのくらいの時間がかかったかから算出されることが多く、費用が相当かかるとすれば、長時間・大人数が調査したことが想定されるためです。裁判官としても、そのような大掛かりな調査を行わなければ今回の浮気が発覚しなかったと言えないことが多く、調査費用を全額認めるということが難しいのです。

場合によっては、慰謝料として請求できる金額よりも大きな調査費用をかけてしまっている方もいます。そうなってしまうと、たとえ慰謝料が取れたとしても、自分の利益がマイナスになってしまい、自分が損をすることにもなってしまいます。

以上のことから、少なくとも調査費用があまりに大きくなるような探偵の調査をすることについては、あまりおすすめできません。

リトラス法律事務所では、不貞慰謝料の案件を多数取り扱った弁護士がおり、探偵の調査が本当に必要か、必要であればどこを調査すべきかといったことをご相談いただくことも可能です。慰謝料の請求をお考えになっている方で、証拠集めについて悩まれているという方も、まずは一度ご相談ください。

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