工場型アスベスト訴訟や建設型アスベスト給付金制度などありますが、そもそもアスベストとはどういったものなのでしょうか。
アスベストとは、天然の鉱石の中に含まれる繊維状ケイ酸塩鉱物です。別名「せきめん」、「いしわた」などと呼ばれています。
アスベストの繊維は髪の毛の5,000分の1程度と極めて細い繊維のため空気中に飛散しているアスベスト繊維は肉眼で見ることができません。
アスベストの主な特徴は以下のとおりです。
・繊維状であるため織ることができる(紡織性)
・引っ張りの耐久性に優れている(高抗張性)
・電気を通しにくい(絶縁性)
・摩擦や摩耗に強い(耐摩耗性)
・燃えにくい・高温に耐える(防火・耐熱性)
・細菌・湿気に強い(耐腐食性)
・酸やアルカリ等の薬品に侵されにくい(耐薬品性)
・他の物質と密着性に優れている(親和性)
・価格が安い
アスベストの用途として、古代エジプトではミイラを包む布として使われていたり、古代ローマではランプの芯として利用されていたようです。
近代ではブレーキパッドやクラッチ材、シール材、保温材など工業用途にも使用されました。
そして、一番利用が多かったのが建造物です。断熱材、防火材、防音材、保温材と何役もこなす万能な材料で安く手に入るためです。
アスベストはその応用範囲の広さから「奇跡の鉱物」とまで呼ばれ、建築材料、自動車、電気製品など様々な用途に使用されてきました。
のちに「奇跡の鉱物」は「静かな時限爆弾」と言われるようになりました。この解説についてはまた後日ご紹介します。
次回はアスベストの種類についてご案内します。
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