top of page

Qアスベスト被害を救済すべき理由は何ですか?

執筆者の写真: litruslawlitruslaw

アスベスト(石綿)健康被害の救済のため,以下のような多数の裁判として行われてきました。


      ○労災認定(+行政不服審査手続(審査請求)・取消訴訟)


      ○使用者側の安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求(労災民事訴訟)


      ○建材メーカー等の警告表示義務違反・製造物責任を理由とする損害賠償請求


      ○国の規制権限不行使の違法を理由とする国家賠償請求


   平成26年10月最判型や令和3年5月最判/建設アスベスト被害者救済法型の救済制度は,多くの被害者・弁護団の裁判の積み重ね,その結果としての最高裁判例,から形成された結果といえます。


  しかし,石綿(アスベスト)の健康被害の救済は,まだ現在進行中の事柄といえ,


屋外作業者の健康被害や建材メーカーの責任・救済制度への関与(令和3年5月裁判でも建材メーカーの責任が一部認められていますが,建設アスベスト被害者救済法の制度には組み込まれていません)などが,残った課題といわれています。


 これらについても,今後新たな展開がある可能性があります。


いずれにしても,個別の健康被害者の救済は,これからが本番です。


労災認定とそれに付随する行政不服審査手続,取消訴訟は,これからも変わらず重要です。


関連記事

すべて表示

アスベストによる健康被害~良性石綿胸水~ ~ショートコラム⑧~

良性石綿胸水とは、アスベストを吸入したことが原因で肺を包む胸膜に炎症が起こり、胸水がたまる病気です。良性石綿胸水は自然に胸水が消えて治る場合が多いため、石綿救済給付の対象外の疾病です。 良性石綿胸水は自然に治癒するケースが多いですが、何度も胸水が繰り返し発生する場合もありま...

アスベストによる健康被害④びまん性胸膜肥厚~ショートコラム⑦~

びまん性胸膜肥厚とは、肺を包む胸膜が線維化し厚くなる病気です。通常、肺は柔らかく、呼吸することによって肺が膨らみます。しかし、胸膜の線維化が広がると、肺の表面が厚くなり、硬くなり膨らまなくなります。そのため呼吸しにくくなり、息切れなどの症状が現れます。...

Comments


bottom of page