前回、前々回に引き続き今回もアスベスト関連疾患のコラムです。
今回は中皮腫についてご紹介します。
内蔵は膜に覆われており(例:肺は胸膜、胃腸や肝臓は腹膜)、この膜の表面を覆っているのが中皮です。
この中皮から発生した悪性の腫瘍を中皮腫といいます。
中皮腫は発生部位によって胸膜中皮腫、腹膜中皮腫などに分けられます。中皮腫を患っている方の多くが胸膜中皮腫を発症しており、その次に多いのが腹膜中皮腫です。
特に胸膜中皮腫はアスベストが主な原因として知られています。
中皮腫の発生率は危険性が高い順からクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、クリソタイル(白石綿)とアスベストの種類によって差があるといわれています。アスベストにさらされてから、発症まで20~50年程度と潜伏期間が非常に長いのも特徴です。
中皮腫の症状は発生部位によって異なります。
胸膜中皮腫の症状でよくみられるのは胸痛や息切れです。咳や発熱、全身倦怠感、体重減少なども見られます。しかし、他の疾患でも現れる症状のため、早期発見が難しい病気といわれています。
腹膜中皮腫は早期では症状がでないという特徴があり、症状が進行すると腹痛、腹部膨満感、腹水貯留などが見られます。
治療は手術、化学療法や放射線療法などがあります。
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